私はネットワーク管理者でパソコン、特にWindowsパソコンは大嫌いで、自分のデスクトップPC以外は全てFreeBSDかLinuxを使っています。デスクトップPCも、MSオフィスのためだけにWindows 11にしています。一方、オフィス内のクライアントはほぼ全てWindows PCですので、その素性を知らずにネットワーク管理者は務まりません。そんな私にユーザからこんなクレームがよく来ます。
状況設定

今NetFlix動画見てるんだけど、なんでこんなにネットワーク遅いん?カクカクやで?

どこで見てますか?

オフィスだけど?

WiFiですか?それともLAN?

今はWiFiだけど、LANでも変わらないんで、遅いネットワークのせいですよ。何とかしてくれないか?

あぁ、そうですか。ちょっと見てみますね。お待ちください。
そこで、オフィスのファイアウォールやルータ、スイッチのインターフェースの状況を見てみますが、特に問題は見つからず。

オフィスのネットワーク機材の状況を見てみたんですが、特におかしな動きをしているものはなかったですよ。パソコンの状況見てみました?

はぁ?普通に動いてますよ?

わかりました、ちょっとリモートでパソコンにつないで状況を見てみます。
考察
ユーザからすると、インターネット動画が見れない、すなわちネットワークが悪いと短絡的に考えてしまいます。たぶんご家庭の皆さんと同じ状況であると思います。
別のページにも書きましたが、今インターネットを使っていないという方はほぼいないということができます。では今使っているインターネットが問題なく正常に動いているとどうしていうことができるでしょうか?ここからしばらくは、ネットワークが正常に動いているというためにネットワーク管理者として確認すべきことをご紹介いたします。皆さんのご家庭でもこの情報は役に立つと思います。一緒にITの勉強をしてみましょう。
もう一度状況設定をしてみましょう。とある1G回線を契約していて、NetFlixの4K/UHDで動画を見ることができています。ただ、時々フレームの脱落があるようですが、とりあえず普通に見えています。
さて、この状況であなたはNetFlixを見る環境として満足でしょうか?
通常ネットワークはネットワークを熟知したネットワーク管理者によってセットアップされ、維持管理されています。しかし、そのネットワークを使うユーザがパソコンを熟知しているかというと、そうでないことが一般的です。なので、直感で使うことができるWindows PCが選ばれます。勿論ネットワークのハードウェアは壊れることがあります。またオフィスの主役は社員の皆さんです。席替えもあるでしょうし、ミーティングで座席の移動だってするでしょう。ですので、その壊れ方によって、あるいは機材を触ったことによる接触不良や断線などが発生したことにより、どのような問題が起こるかわかりません。その症状に応じて我々ネットワーク管理者は問題を解決してゆきます。が、現実問題として、ネットワークの問題よりパソコン側の問題の方が多いのが事実です。過去の経験より、ネットワークの問題を解決してくれとしょっちゅう訴えてくるユーザに限って、ITの知識が乏しいという傾向にあります 🙂
パソコンの動作確認
NetFlixが見れないという社員のパソコンにリモート接続して状況を見てみたのですが、彼はデザイナーでCADなどの演算が多いソフトウェアを使用しながらNetFlixで動画を見ているそうです。テレビ見ながらブログ書いたりしているので、普通にあることだと思います 🙂
CADと言えば、設計データから画像イメージを作成するのに大量のメモリを使用して大量の計算を行う必要があります。彼の作業中にタスクマネージャでメモリの状況を観察したのですが、3次元CAD用のPCということでそれなりのメモリを載せているようで大きな余裕はないけれども足りていないとも思えません。
今度はCPUの状況を見てみましたが、0%と100%の間を行ったり来たりしていました。どうも彼がCADで何かを行うとCPUの使用率が100%に達しているようです。そして映像が途切れるのは3次元CADで設計している物をグルグル回して眺めているときに起こることが多いようなので、NetFlixを見るのにCPUを十分に使えていないのだと思えました。こんな感じです。

メモリが十分にあり、CPUが十分に動いている場合にこのような感じでCPUが利用されます。メモリが不十分な場合は100%をキープするのではなく、もっと100%近くでギザギザのグラフになります。CPUは100%で動きたいのですが、ページアウトやスワップアウトされているメモリを実メモリに戻す作業が必要になるため、ディスクI/Oを待つ必要があります。そのために100%近辺でギザギザなグラフになります。
対策
さて、このようにCPUに張り付いた計算が走った場合、他のプロセスに必要なだけCPUリソースが割り当てられなくなることがあります。そして、これらのプロセスの中にNetFlixを見ているプロセスが含まれていたら?Amazon Primeを見ているプロセスが含まれていたら?映像や音声は途切れ途切れとなります。その様な時にCPUリソースの割り当てを変更できる機能がどのOSにもあります。方法論としては2つあります。大量にCPUリソースを消費するプロセスの優先度を下げるか、NetFlixやAmazon Primeのプロセスの優先度を上げるかのいずれかになります。今回の場合、CPUリソースを大量に消費するプロセスは3次元CADのプロセスなので、全CPUリソースを長時間にわたって独占する傾向にあります。このような場合はこのプロセスの優先度を下げた方がシステム全体の動きが遅くならないのでよい方法と言えます。ではこのプロセスの優先度を下げてみましょう。
手元に適当なCADソフトウェアがありませんので、vmware workstation上で大量の計算を行って、シミュレートしてみました。ですので、vmwareをCADなどの大量にCPUリソースを消費するソフトウェアのプロセスと読み替えてください。タスクマネージャで詳細を表示して、CPUの使用率の順番に並べ替えてみます。そうすると、一番最初に3次元CADのソフトウェアのプロセスがリストされます。

このプロセスの優先度を下げてみます。プロセスの上で右クリックして優先度の設定を選択します。普通に画面を見ながら実行しているプロセスには”通常”が割り当てられており、システムの見えないところで動いているプロセスには”通常以下”が使用されます。ですので、CPUリソースを大量に使用するプロセスには”低”を選びます。

確認を要求してきますので、”優先度の変更”をクリックして優先度を変更します。

そうするとどうでしょう?NetFlixやAmazon Primeを見るためのプロセスに十分なCPUリソースが割り当てられるようになるので、映像が不安定になったり音声が途切れたりすることがなくなるはずです。CPUリソースを十分に確保しても快適に動画を見ることができないのであれば、それはネットワークに問題があるのかもしれません。今がネットワークのアップデートの時期かもしれません。WiFiなどの光回線以外をお使いの方は勿論、既に光回線をお使いの方でも最適の光回線に乗り換えてみませんか?こちらで最適な光回線を調べてみましょう。